2020年7月1日より、プラスチック製のレジ袋の有料化が義務になります。
レジ袋の有料化については、2019年2月に当時の環境大臣からこの方針が発表され、2019年11月に正式に決定が下されました。
ただし、一部の例外を除いて。
……えっ?
一部?
どういうこっちゃい!
と思ったそこのあなた。ご安心ください。
今回の記事では、有料化対象外のポリ袋とその性質について詳しくお話したいと思います。
まず、有料化対象外のポリ袋は、この条件のどれかにあてはまるものです。
実は「バイオマスプラスチック」というものは新しい概念であり、現在厳密な定義がないと言う人もいます。
バイオマスとはこの場合、生物由来の資源のことを指しています。
バイオマスプラスチックの場合は、トウモロコシが原料になっていることが多いようです。
ですから、「バイオマスプラスチック」は「生物由来の資源を利用して生成されたプラスチック」という連想ができるかと思います。
実際、バイオマスプラスチックという単語を使用しているインターネット上の記事を見ても、その理解で問題なさそうでした。
日本バイオプラスチック協会では、「バイオマスプラスチック」を
出典:日本バイオマスプラスチック協会公式サイト
と定義しているようです。
「原料として再生可能」であるということと、「高分子材料」であることに重きをおいているということですね。
※高分子材料とは、かなりざっくり言うと、プラスチックのような軽くて加工しやすく、熱には弱いタイプの材料のことです。
ただ、インターネット上の記事によっては「バイオマスプラスチック」ではなく、「バイオプラスチック」という表記も見受けられます。
この辺りの混乱が、厳密な定義がされていないことの証のように感じます。
また、日本バイオプラスチック協会は、バイオマスプラスチックと生分解性プラスチックをまとめて「バイオプラスチック」と呼んでいるそうです。
一方で、Wikipediaでは「バイオマスから作られたプラスチック」の意味合いで「バイオプラスチック」という項目があります。
ああややこしい。
確認する限り、経済産業省・環境省は「バイオマスプラスチック」と言っていますので、「バイオマスプラスチック」として統一したほうがいいのではと思います。
ともかく気をつけたいところは、「有料化対象外は、原料の25%がバイオマスでつくられたレジ袋である」という点です。
もし無料対象のレジ袋を作りたい場合には、この点を留意してください。
では「海洋生分解性プラスチック」はどういったものでしょうか?
そもそもとして、海洋生分解性プラスチックは生分解性プラスチックに分類されます。
ちなみに生分解性プラスチックは、分解後の副産物が自然的なものであればいいので、原料が必ずしも自然由来のものでなければならないということはありません。
そして「海洋生分解性プラスチック」とは、海洋中の微生物によって、最終的に水と二酸化炭素に分解されるプラスチックのことです。
海洋での分解は、どうも地上での分解よりも難易度が高いようで、海洋生分解性プラスチックについては、開発への取り組みが始まったばかりです。
2019年5月に経済産業省で海洋生分解性プラスチック開発・導入普及ロードマップが策定され、同7月に海洋生分解性プラスチックの標準化に係る検討委員会が設立されたところなので、まだまだ先は長そうですね。
「海洋生分解性プラスチック」について、もっと詳細をお知りになりたい方はこちらの経済産業省のページをご覧ください。
いかがでしょうか?
バイオマスプラスチックと、海洋生分解性プラスチックについて何となくご理解いただけましたか?
海洋生分解性プラスチックに関しては、メーカーや認可の問題で2020年7月の段階で参入してくるか不明です。
ただポリ袋有料化の対象外になるのは以下の条件である、という認識で現状は問題ないと思います。
ただし、バイオマスプラスチックは通常の石油由来のポリ袋よりも製造にコストがかかります。
バイオマスプラスチックを配合したレジ袋であっても、自主的にレジ袋の費用を取る店舗や企業が出てくる可能性はあります。