ポリプロピレンと似たプラスチック素材には「ポリエチレン」が挙げられます。
ポリエチレンとは、エチレンが多数重合したプラスチック素材です。ポリプロピレンと同じく大量生産しやすい安価な素材ですが、ポリプロピレンとは異なる特徴を有しています。
ポリプロピレンとポリエチレンを混同しないためには、両者の共通点や相違点を理解する必要があります。
ポリプロピレンとポリエチレンの共通点は、以下の3点です。
●軽さと強さを兼ね備えている
ポリプロピレン・ポリエチレンともに、軽さと強さを両立している点ではよく似ています。
●安く量産しやすい
どちらも値段が安く簡単に量産できるため、主要なプラスチック原材料となっています。また、加工しやすい点も両者に共通しています。
●耐薬品性がある
ポリエチレンとポリプロピレンの両方が、酸やアルカリ、アルコールなどに強い性質を持っています。
ポリプロピレンとポリエチレンの相違点は、以下の3点です。
●耐熱性
ポリエチレンは耐寒性が高くマイナス20℃まで対応可能ですが、ポリプロピレンと比べると耐熱性は低く、火や熱のダメージに弱いという特徴があります。
●耐候性
ポリプロピレンと違い、ポリエチレンは耐候性に優れているため、直射日光や紫外線に当たってもすぐには変形・変色しません。
●防水性
ポリエチレンは吸水性がほとんどないため、ポリプロピレンと比較すると防水性が高くなります。また、水に浮くほど非常に軽い点もポリエチレンの特徴です。
ポリプロピレンとポリエチレンは同一の素材だと思われがちですが、実際には様々な点で違いがあるため、製作する商品の用途に応じて使い分けるとよいでしょう。
一般的に商用利用されるポリエチレンは、低密度のものと高密度のものに分類されます。
ポリエチレンの密度によって耐薬品性や剛性が変わりますが、低密度・高密度のどちらも容器や食品包装フィルム・シートなどによく使われています。
ポリエチレンの密度ごとの適切な用途は、以下の通りです。
ポリエチレンの密度 |
ポリエチレンの用途 |
低密度 |
ポリ袋やラップフィルム、農業用フィルムなど、柔らかくて強度が求められる商品に用いられています。 |
高密度 |
バケツやポリタンク、シャンプー容器など、硬くて強度が求められる商品に用いられています。ポリエチレンの強度と耐久性を活かし、バッグの素材としても使われることも多いです。 |