突然ですが、問題です。
ポリ袋のカラー生地へ印刷するときに、一番人気の印刷色はなんでしょう?
答えは「白」です。
「白印刷」はすっきりした印象に仕上がること、黒や茶色などの濃い生地色に印刷しても色が沈みにくいことから一番人気です。
どんな生地色にも合うため、非常によく使われています。
そんな人気の白印刷、実はデータ作成の際に気を付けないといけないことがあるんです。
白印刷のデータ作成はどのようにすべきなのか、注意したいポイントは何かを今回のコラムでご紹介します!
まずはじめに白印刷についてご説明しましょう。
ほとんどの印刷は、CMYKの4色のインクを混ぜ合わせて色を作ります。
生地自体の色が白の場合、デザインの白い部分はCMYKを使わず、印刷をしないで生地色そのままの色で表現されます。
一方、カラー生地に白を表現するには「白インク」を使います。
例えば、ご家庭のインクジェットプリンターで白印刷は可能なのでしょうか?
答えはプリンターのカートリッジを確認して頂くとわかります。
8色インク対応などインクの色数が多いものでも、ほとんどの家庭用インクジェットプリンターには白インクは入っていません。
白インクがなければ、白は紙の色で表現するしかありません。
白インクを使うからこそ、白印刷が可能なのです。
ときどきお客様から「印刷色を白にしたい場合、データは何色で作ればいいですか?」とご質問をいただきます。
実際に印刷する色=白でデータを作りたいところですが、illustratorのアートボードやレレカのテンプレートは白です。
白の上に白でデータを作ってしまうと、デザインが見えなくなってしまいます。
レレカではCMYKいずれか1色でデータを作成し、記入欄に「印刷色:白」とご指示をいただくことを推奨しております。
ただし、白の上にY100=黄色でデータを作ると視認性がやや悪くなります。
CMKいずれか1色でデータをご作成いただくのが、見やすくてお勧めです。
白印刷のデータ入稿で一番多いのは、生地色に色をつけてデザイン部分を白で作られたデータです。
仕上がりイメージがわかりやすいですね。
この作り方でも間違いではございませんので、先ほどご紹介した方法かどちらかの方法でデータをご作成ください。
白印刷は気を付けないと、イメージしていなかった仕上がりになってしまう事例があります。
特に注意が必要なのは、白目のあるキャラクターのいるデザインです。
赤い生地のポリ袋に印刷すると仮定して、データと仕上がりイメージを見てみましょう。
白目のないキャラクターであれば、同じデータを白で印刷しても黒で印刷したときと、さほど印象は変わりません。
では、白目のあるキャラクターを同じように印刷するとどうなるでしょう?
これでもおかしくはないのですが、 元のデータと比べると少し違和感がありますね。
白目と黒目が反転しているのが原因だと思われます。
より元のデータに近づけたイメージで印刷するには、データをどう修正すればいいのでしょうか。
まずはデータの色を全て白黒反転させてみました。
これで白印刷を行うと、こんな感じです。
顔部分の違和感はなくなりましたが、輪郭線が消えたことにより、鉛筆のキャラクターの芯の部分が見えづらくなってしまいました。
キャラクター同士が手を組んだときの効果線も消えてしまっています。
次はデータの色を白黒反転させた上で、周りにフチをつけてみました。
このデータで白印刷を行うと……見事!
黒で印刷したときのデータとイメージが変わらない仕上がりになりました。
キャラクターの白目と黒目も正しく表示され、鉛筆の芯の部分や効果線もはっきり見えます。
個人的にはフチは少し太めにつけた方が、輪郭がはっきりするのでお勧めです。
効果線のみフチをつけずに、白い線のみで印刷してもすっきりしますね。
こちらはお好みで調整してみてください。
フチをつけるときはillustratorの「アピアランス機能」を使うと簡単です。
上部メニューから「ウィンドウ」>「アピアランス」を選びます。
フチをつけたい部分をグループ化し、選択したら「アピアランス」のメニューから「新規線を追加」を選びます。
追加された「線」を「内容」または「グループ」の下にドラッグし、線の色と太さを調整すればできあがりです。
反転させてフチをつける以外にもうひとつ、背景に白ベタを入れる方法もあります。
お好きな形で白ベタを入れ、その上に白黒反転させたキャラクターをのせるだけ。
仕上がりもイメージしやすく、データの処理も簡単です。
QRコードを左図のように白で印刷してしまうと、端末やアプリによって読み取れない場合がございます。
図のように白背景がついて仕上がるようにデータを反転させましょう。
ポリ袋生地へのQRコードを印刷は、レレカではあまりお勧めしていません。
ビニールが光を反射する、生地がゆがみやすいなどの理由により読み取れないものが出てくる場合があるためです。
それでも「どうしてもQRコードを入れたい!」と希望されるお客様には、上記の点をご了承いただいた上で作業を進めております。
カラー生地だけでなく、透明生地への白印刷も可能です。
透明生地への印刷の際に気を付けたいのが印刷色数。
次のデザインを例に見てみましょう。
こちらのデータを、白生地のポリ袋や紙袋に印刷するときは1色印刷で大丈夫なのですが、透明生地へ印刷する場合は、黒と白の2色印刷です。
黒の1色印刷だと仕上がりイメージは一番右の図のようになります。
データの白い部分が生地色=透明になって仕上がります。
データの白い部分も白で印刷されたい場合は2色印刷となり、1色印刷とは料金、納期が変わってしまいますのでご注意くださいね。
同じデザインを透明生地に白1色で印刷したいときはこのようになります。
透明生地の場合は、ご自身のイメージする仕上がりと印刷色数が間違いないか、事前にご確認くださいませ。
よくわからないという場合は、レレカのDTP担当までご相談ください。
いかがでしたか?
白印刷で上記条件に当てはまる場合はご注意くださいね。
レレカでは白で印刷をご希望されるお客様には、必ず仕上がりイメージを送付しております。
仕上がりイメージをご覧いただいて、このコラムでご紹介したような違和感を感じることがあれば、データをご修正いただくかレレカ担当者までご連絡ください。
白印刷を使いこなして、ポリ袋の仕上がりをさら良い物にしていきましょう!