弊社でポリ袋の製作をご依頼される際、お客様がロゴの印刷を黒1色で希望される、あるいは複数色のなかに黒が使われていることは非常に多いです。
ところで、黒といってもそのなかにはK100%の黒、リッチブラック、4色ベタなどいろんな黒があることはご存知ですか?
それぞれの違いを知り、うまく使い分けられるようになると、仕上がりも一段とよくなります。
今回は知ってるようで知らない、黒の違いについてご説明いたします。
フルカラーの印刷データは、CMYKといってC(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4色のインクをかけ合わせて色が作られています。
それぞれの値は0~100%で設定されており、K100%はCMYKの値がC:0、M:0、Y:0、K:100で表現された色のことで、スミベタとも呼ばれます。
印刷会社の設定によっては、K100%のデータには自動的にオーバープリントが適用されます。
オーバープリントとは、色と色を重ねて印刷する処理のことです。詳しくは下の画像をご覧ください。
オーバープリントをしない場合、黒い文字の下は、その文字が収めるための空白があります。
そのため、印刷が少しでもずれてしまうと、白い部分ができます。
オーバープリントを適用すれば、重ねて印刷するので少々ずれてしまっても仕上がりにはほとんど影響がありません。
このようにオーバープリントには版ズレを防ぐことができるメリットがあるのですが、一方で重なった部分がうっすらと透けたように見えてしまうことがあります。
※画像はわかりやすくするために表現を誇張しています。
写真やイラスト、柄などの上に黒色をのせると、下の模様が透けてしまうことがあります。
ただ、K100%にCMYいずれかを1%足すことで、このオーバープリントを防ぐことができます。
※画像はわかりやすくするために表現を誇張しています。
リッチブラックとは、ブラック=K1色で表現した色に他のCMYカラーを掛け合わせて、より深みのある濃い黒にすることです。
4色を掛け合わせた印刷色のため、K100%の黒に比べて版ズレが起こりやすくなります。
細い線や細かい文字への使用はお控えください。
4色ベタとは、CMYKの値がすべてが100%の黒色のことです。
こちらはインクを大量に使用するため乾きにくかったり、裏移りしてしまったりとデメリットが大きいため印刷には適していません。
濃度の強い黒を使いたい場合でも4色ベタは使用せずにリッチブラックにしましょう。
WEBの色表現で使われるRGBで作られたデザインデータをCMYKモードに変換した場合などに、RGBの黒(R:0、G:0、B:0)は上の画像のようになってしまうことがあります。
この変換結果は、モニターで見ているだけではほとんど気づきません。
このまま進めてしまうと、版ズレが生じたり、データの修正が必要になりますのでご注意ください。
印刷データを作成する際は、必ず最初からCMYKモードでご作成ください。
レレカでは1色印刷、2色印刷など特色で印刷をするときには、DICまたはPANTONEの番号で色の指示をいただいております。
ですが、白と黒だけは例外的に番号の指定は必要としておらず、ご希望の方は「黒」とご指示ください。その場合、K100%になります。
同様に白をご希望の方も白とご指示ください。
ポリ袋はツルツルした生地のため、紙と比べて印刷時にズレが生じやすく、リッチブラックは印刷に向いていません。
そのため、ポリ袋へ印刷する黒はK100%でデータをご作成ください。
クリアファイルの場合、K100%の黒は茶色っぽく仕上がってしまいます。
こちらはリッチブラックをおすすめしています。
細かな文字や線などの場合は、リッチブラックを使わずにC:1、M:0、Y:0、K:100のようにK100%にほかの色を1%だけたしてください。
リッチブラックに比べると少々薄い黒になったとしても、版ズレは目立ちにくくなります。
それぞれの黒の違いをまとめると下記のようになります。
どれも見た目には黒に見えるのですが、こんな風に違いがあることを知っていただけますと幸いです。
なお、オリジナルポリ袋をご依頼される方で、黒以外でも、デザインの色に迷われている方はぜひレレカまでご相談ください。
専門のオペレーターがしっかりサポートいたします。